内向的性格による苦労を乗り越えつつ紆余曲折過ぎる回り道を経て、全くのど素人から独学でラーメン屋を開業して十数年経った現在、自分らしい人生を送れておりますオーライと申します。
今回のテーマは「未経験・修行無し・独学でラーメン屋を開業した人の話」です。
そうです。私の話です笑。
私ことオーライの自己紹介を兼ねてラーメン屋開業の経緯をお話させて頂きます。
正直言ってかなり特殊な事例であり、あまり参考にはならないかもしれませんが反面教師的な意味でも何かの足しにはなるかもしれません。
何よりもこんな馬鹿なヤツでも独立開業できるんだと、皆さんの気持ちの後押しが出来ればいいなと思います。
よろしければお付き合い下さい。
ラーメン屋開業までの道のり
何も考えてないダメダメ学生時代
そこそこ有名な大学に通い何も考えずにのほほんとひたすら遊んで過ごしていた学生時代。
就職を考える時期になり周囲が就職活動を始めても我関せずで相変わらずのほほんと遊んでいるという「本当に何も考えていない人間」でした。
ツケというものは当然回ってくるものでそんなヤツに希望の就職先など手が届くはずもありません。
そもそもどんな仕事がしたいのか?とか、何が自分に合った仕事なのか?なんて事も考えたこともありませんでした。
周囲の人間はどんどん就職が決まっていく中、全く必死になることもなく適当に就職活動を行う日々。
アリとキリギリスの話が身につまされる感じでしたね。
いよいよ就職浪人かと諦めかけていた頃、ある会社にご縁を頂き入社する事となりました。
何とか就職も決まり一安心かと思っていたのですが、それは紆余曲折過ぎる人生の序章に過ぎませんでした・・
どこに行っても長続きせず職を転々と
ギリギリで拾ってもらったのはバリバリ理系の化学系の会社。
与えられた仕事は営業職でした。つまり「化学系の営業マン」です。
ちなみに私のスペックは「理系全滅のバリバリ文系で超人見知り」です。
仕事は当然苦痛でしかなく、会社にいるのも辛くなり結局退社する事になりました。
その後もフリーター、プータロー、会社員、など色々なところを転々として過ごしていたのですが、どこに行ってもなにかしっくりこないのです。
特別嫌なことがあるわけでもないのに職場でしばらくすると何故か嫌になるのです。
嫌になるというより、精神が病んでくる感じです。鬱になる感じ・・
自分でも何故か分からなかったのですが、色々考えた結果ある結論に至りました。
「自分は組織で働くのは向いてない人間なんだ。何か自分だけで出来る仕事をするしかない」と。
初めて自分が内向的タイプだと自覚するに至った瞬間でした。
(人間には生まれ持ったタイプとして「内向的と外向的」の2つにわかれます。
内向的タイプの人は「人に会うことでエネルギーを消耗する」特性があります。
私は超内向的タイプなので、組織に所属するというだけで消耗が大きかったんだと思います。)
ラーメン屋になろう!
「自分が生きていくには組織に属さなくてもやっていける仕事を見つけるしかない。」
そう考えた私が選んだ職種がラーメン屋でした。
ラーメン屋なら一人でも出来るし、元々ラーメン好きで食べ歩きをしていたということもありました。
やはり自分の興味のある分野の方が良いだろうという考えです。
しかし食べ歩きをしていたとは言っても、自分で作ることになるなんて考えてもなかったので作り方など全く知りません。
現在の様にネットで検索すればあらゆる情報が手に入るという程はネットが成熟していない時代だったので作り方の手がかりすらありませんでした。
加えて飲食業の経験も無く料理が出来るわけでもありません。
そもそも材料が何かすら知りませんでした(そこからかよ!知らないにも限度ってもんがあるだろ)。
そんな本当に何もないゼロの状態から無謀すぎる挑戦が始まったわけです。
独学ラーメン修行開始
とりあえずやってみようと思い家庭用の小さい寸胴鍋を買ったりしてみましたが、肝心の材料をどうしたらいいのかという問題がありました。
豚の骨とか鶏ガラとかを使うらしいというのは分かったものの、それがどこで手に入るのかが分からない・・
最初お肉屋さんに行って「豚の骨ください」と言ったら、お肉屋さんがもの凄く不思議そうな顔をして固まってしまったことは今でも忘れられません笑。
豚の骨は置いてないと言われて途方に暮れていると私の視界にあるものが飛び込んできました。
それは・・「スペアリブ」。
そうです!あのお肉にちょっと骨が付いている事でお馴染みのあの「スペアリブ」です。
さらに「骨付きの鶏もも肉」まで発見!
「骨が付いてるからこれでいいか」とご機嫌で購入して家に帰りました(バカ過ぎる)。
記念すべき第一回目の試作品「スペアリブと鶏もも肉ラーメン」は言うまでもなくラーメンとは言えない仕上がりでした(当たり前や!)。
前途多難なスタートをきった独学ラーメン修行ですが、まさかあれほどまでに果てしなく遠い道のりとなるということをこの時はまだ知りませんでした。
絶望の独学修行期間の果てに
その後事情をお話したら協力して下さるお肉屋さんと出会う事が出来て豚骨を取り寄せて頂ける様になりました。
それからは毎週末は徹夜でスープを試作するという生活が始まりました。
諸事情あり当時の仕事はなかなか辞めることが出来なかったので平日は仕事をしながらです。
料理も全く出来ないので基本的なことすら分からない状態ですが、とにかく試作して失敗してを繰り返しました。
なにせ手がかりとなるものがないのでどうしたらいいのかも分からないのですが、とにかく試作を続けました。
それはまるで「海図やコンパスも持たずに航海に出た船」の様であり「図柄の無い真っ白なジグソーパズルを作る」かの様な、絶望感すら感じる先の見えない作業でした。
そうしている間にラーメン作りに関する本を見つけたり、ラーメンを自作している方のホームページを発見したりと少しずつ参考に出来る材料も出てきました。
そうして更に試作して失敗を繰り返し続けて5年程経過した頃、私のラーメンを完成することが出来ました。
毎週末にスープを試作し小分けにして、平日は仕事に出勤する前に一杯食べてタレを試行錯誤する。
そんな日々を5年間ひたすら繰り返してようやく辿り着くことが出来たのです。
私は根性も根気も人並み以上に持ち合わせている人間では決してありません。
ただ私にとってラーメン屋になるという目標はこれからの人生を自分らしく生きる為の唯一の希望でした。
この希望を手放してしまったらこれからどうやって生きていったらいいか分からない。
だからどんなに先の見えない絶望的な道でも諦めるという選択肢は無かったのです。
念願のラーメン屋開業にこぎつけたのだが・・
自分のラーメンを完成させて遂に勝負に挑む武器を手に入れた私。
開業に向けて何をやらなければならないのかも全くわかりません。
手探りで調べたり人に聞いたりしながら何とか準備を進めていきました。
ぶっちゃけた話をすると、当時軍資金としてコツコツ貯めたお金が300万円。
借金をするつもりは無かったので、その手持ちのお金が尽きたらゲームオーバーという覚悟です。
300万円というのは飲食店開業に対しては心細過ぎる金額ですが、何とかするしかありません。
店づくりにお金をかけられないので、人通りも少ない5坪程しかない極狭物件(家賃3万円)に決めてなるべく安くあがるように最低限の改装を行いました。
そして最低限必要な厨房設備を購入してどうにかラーメン屋として営業出来る態勢が整いました。
この時点で約200万円が消えていました(めちゃくちゃ安くで出来たと思いますが)。
残りの軍資金100万円を握りしめてど素人のラーメン屋が遂に幕を開けたのです。
そして現在
何も知らない飲食業未経験のど素人がいきなり店を経営するわけですから上手く出来るわけがありません。
当然失敗の連続、試練の連続、ピンチに次ぐピンチの連続でした・・
そこらへんの事を書くと長くなりすぎてしまうのでまた別テーマとして改めて書かせて頂きます。
結果だけ軽くお話すると、現在店を開店して13年程経過して何とか生き残っております。
店も途中で移転して少し広く立派になりました笑。
いつもというわけではありませんが行列を作って頂ける事も多くなりました。
(続編「未経験のど素人が独学でラーメン屋を開業して繫盛店を作った話」もよろしければご一読下さい)
何より自分に合った仕事だと心から思える仕事に就くことが出来て本当に幸せに思っております。
組織で働く事に向いていない事でどこに行っても「自分の居場所と感じられない」思いをしてきましたが、今は自分らしくストレス無く生きることが出来ています。
このブログで皆さんに伝えたいこと
私自身がそうだった様に「自分に合った仕事を見つけられない」ことでストレスを感じて生きている人が沢山いらっしゃると思います。
私は大きな成功を得た人間ではないし今後大きな成功を手にする人間でもないと思います。
身の丈に合った幸せを悪戦苦闘の末何とか手繰り寄せている、そんな努力を今現在も続けている人間に過ぎません。
でもそんな自分だからこそ伝えられることもあると思いブログを始めました。
誰もがホリエモンの様になれるわけではありません。
自分にとってストレスの無い人生を手に入れられたらそれで充分幸せだと思います。。
そんな思いに共感して下さる方に向けて、人生が少しでもより良いものになる様なお話を発信していけたらいいなと思っております。
よろしくお願いいたします。
それでは皆様、より良い人生を!オーライでした。
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